
キラキラと輝く金色の「金閣寺」
外国人観光客もこの美しい景色を見るとため息を漏らすというくらいです。
金閣寺の前の池に鏡のように映される景観と金閣寺の美しさは圧巻といわれ、京都の中でも人気スポットとなっています。
金色ということに目を奪われてしまうのですが、金閣寺には見ておくべきポイントが各所にあるのです。
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金閣寺はいつできたのか、その歴史を理解しよう
金閣寺がある場所は、その昔、西園寺という寺院が建立されていたのです。
鎌倉時代、藤原氏の公卿・西園寺公経という方が建立したものとされています。
その後、鎌倉幕府が滅亡し西園寺は荒れ果ててしまいますが、室町時代に入り、三代目将軍となった足利義満が土地を譲り受け、大規模な邸宅「北山殿」を建てるのです。
この北山殿こそ、金閣寺の起源となります。
邸宅にしては大きすぎる規模で、御所と並ぶといわれるくらいです。
義満はこの北山殿で執務を行っていたとされています。
義満死後、義満の遺言によって北山殿は禅寺となり、現在みられる舎利殿以外解体されましたが、金閣寺の鹿苑寺とされるのは義満の法号、鹿苑院殿から取られたものです。
しかしこの場所は応仁の乱の際、西軍の陣となったことで多くの建物が戦火により焼失、江戸時代に再建されます。
1897年に舎利殿が特別保護建造物に指定され、大規模な解体修理なども行われ、1925年には庭園が史跡・名勝となり1929年に国宝指定を受けたのです。
1950年、残念なことに放火によって舎利殿が焼失、この時国宝足利義満木像などの尊い文化財も多く焼失します。
1955年になり再建され現在に見られる形となったのです。
明治の大規模解体修理の際の図面が残されていたことから、焼失前同然の建物が復元されたことがせめてもの救いといわれています。
金閣寺の見どころはなんといっても舎利殿の神々しい美しさ
金閣寺の通称となっているのが舎利殿であり、観光客の多くがこの舎利殿を見学に来るのです。
黄金に輝く美しい景観から金閣という呼び名が付き、鹿苑寺についての通称も金閣寺となっています。
3層構造となっている建物ですが、その作りがそれぞれに違うところが魅力です。
1層の法水院は寝殿造りと呼ばれる造り、2層の潮音洞は武家造り、3層の究竟頂は禅宗仏殿造りとなっています。
2層と3層の漆地に純金の箔が貼られ、金閣寺の美しい黄金色を作りだし、金閣寺のシンボルと呼ばれている部分です。
屋根を見ると椹(さわら)のこけら葺が見事で、頂上部分には金に輝く鳳凰が見られます。
鏡湖池と庭園の美しさこそ金閣寺の魅力を植え付けている
鏡湖池は舎利殿の前に広がる庭園で、境内の半分以上を占めている部分です。
池には葦原島、鶴島、亀島といった大小さまざまな島が点在します。
西には衣笠山が見え、池泉回遊式庭園が金閣寺をより美しく盛り立てているようです。
ここは国指定の特別史跡、また特別名勝にも指定されています。
足利義満に大名たちが奉納した石なども残り、その名をとって石に「畠山石」や「細川石」など名がつけられているのです。